その他:KENKO デジタル接写リング

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Kenko EXTENSION TUBE

目次

概要

レンズとマウントの間に追加することで、接写を可能にします。

キャノン向けはEFレンズのみに対応しており、EF-Sタイプのレンズは使用できないので注意が必要です。

非常に単純な構造で、レンズを本体から離す機能しか持ちません。これにより無限遠が出なくなるのはもちろんのこと、広角レンズやズームレンズの35mm(レンズによって異なる可能性があります)より短い部分ではまったくピントが合わなくなるという現象が発生します。

ただし、これにより、ごくごく普通のレンズがいきなりマクロレンズかのような働きを始めますので、機能の割に楽しめる度合いの大きい商品と言えそうです。

Kenko のデジタル接写リング(エクステンションチューブ)として、25mmの単品と、12mm、20mm、36mmのセット商品がラインナップされています。これらを組み合わせることでさまざまな焦点距離の調整が可能となります。

Canon製のエクステンションチューブにこのエクステンションチューブをつなげてみると言う少々無謀とも思えるようなことをやってみましたが、接点の数が違うにもかかわらず特に問題は発生しておらず、互換性はかなり高いような印象です。

EF レンズ対応の接点を持っており、接点のないエクステンションチューブで絞りリングが必要なタイプに比べると、圧倒的に多数のEFレンズに対応しています。ただしKENKOの注意書きによるとEF-Sタイプのレンズには対応していないようで、この点は注意が必要になりそうです。

キャノン純正のエクステンションチューブの接点数とKenko製のエクステンションチューブでは接点の数が異なりますが、EFレンズ側の接点の数と一致するだけの接点を持っているせいか、これまで試してみたレンズでエラーが発生するようなこともなくごくごく普通に使用することが可能になっています。

EF 28-105mm F3.5-4.5 USM

マクロレンズに使用するという使い方もあるかと思いますが、ここではフィルム時代の標準レンズとも言うべきEF 28-105mm F3.5-4.5 USMを使用してKENKOデジタル接写リングを使うとどんな写真が撮れるのかをデータを示しながら検証してみたいと思います。

接写リングを使用すると、テレ端で無限遠にピントを合わせた状態が最も離れた位置となり、ワイド端でピントが合う限界位置が最も近づいた位置になってきます。

接写リングを使用したときでも焦点距離を長くした方が像が大きくなるのは間違いないですが、ピントを合わせられる範囲が焦点距離によって異なり、焦点距離が短い方がより被写体に近づくことが出来るため最終的に撮れる像の大きさはテレ端よりもワイド端側が大きいということも起こり得ます。

わたしも当初このことが理解できておらず、かなり混乱していたことは否めません。

12mmデジタル接写リング

EOS 10DCanon EF 28-105mm F3.5-4.5 USMのレンズで12mmのデジタル接写リングを使用した場合の絵を何枚か。 まずは比較のためにこのレンズの最短撮影距離で12mmの接写リングを使用していない場合と使用した場合。単純に大きく写っていることがわかるかと思います。

最短撮影距離 同距離12mm接写リング使用

次に、12mmの接写リングを使用して最も離れた位置(118cm)から撮影した場合と最も接近した位置(30cm)から撮影した画像です。

12mm接写リング最長位置 12mm接写リング最短位置

118cmで接写リングを使用する理由はまったくありませんので、実際にはこのレンズの最短撮影可能距離である50cmから接写リングを使用した30cmまでがこのレンズで12mmのリングを使用する範囲と言うことになるかと思われます。

最後に示した画像が12mmの接写リングを使用したときの最大の絵かと聞かれると実は違うと言うことを言っておかねばなりません。

12mm接写リング最大倍率

この写真は、12mmの接写リングを使用してズームリングをワイド端(28mm)にして17cmまで接近して撮影しています。このときレンズ端から被写体までは3.5cmほどしか離れておらずぎりぎりと言う感じの撮影になります。

先ほども書いたとおり、同じ接写リングを使用していてもテレ端よりもかなり接近することが出来るワイド端の方が出てくる絵は大きくなるということがこれで理解していただけるのではないでしょうか。

最後に倍率を計算しておきましょう。

EOS 10Dの撮像素子のサイズは横幅22.7mm。12mmの接写リングを使用した最大の画像で44mm幅が撮影されていますので、おおよそ22.7/44=0.52倍と出て来ます。

「EF50mm F2.5 コンパクトマクロ」レンズが倍率0.5倍のマクロレンズですから、12mmの接写リングひとつでほぼこれと等価なサイズのマクロ撮影が出来るようになるということになります。もちろんワーキングディスタンスの違いや写りが違うという話はありますが、少なくとも撮れる大きさと言う部分だけで比較するとデジタル接写リングの強みがわかるのではないでしょうか。

20mmデジタル接写リング

次に20mmのデジタル接写リングを使用してみます。

20mmのデジタル接写リングを使用したときは、テレ端で最接近すると27cmほど。12mmで30cmでしたから思ったほど近づけない感じです。

テレ端20mm

実際に撮影してみると面白いことに12mmのワイド端で撮れた絵とほぼ同じサイズの絵が撮れました。

次にワイド端で接近してみると16cmほどの撮影距離になってきます。12mmで17cmでしたからこれもそれほど近づけないなと思われるかもしれませんが、レンズ端からだと3.5cmが2cmをちょっと超えるぐらいにまで接近しているということを認識してください。この差はかなり大きいと考えていただいた方が良いかと思われます。

20mm最短

この写真ではレンズが近づきすぎてレンズの陰が写りこんできてしまいました。

倍率もおおよそ30mmの範囲が写ってきていますので、22.7/30=0.76倍まで拡大できていることがわかります。

25mmデジタル接写リング

25mmのデジタル接写リングは、デジタル接写リングセットには含まれず、単体で購入する必要のある接写リングとなります。

現実的に、デジタル接写リングの3個とこの25mmの接写リングを両方購入すると言うことは考えづらいですから、25mmのみを購入予定の方はこの部分のみを参考にされると良いかと思います。

レンズのテレ端を使用して25mmの接写リングを接続したときの最短と最長の撮影位置からの絵を以下に示します。

25mm最長

最長の位置から撮影した場合、だいたい63cm程度の距離となります。この位置から撮影した場合おおよそ9cm幅で撮影できています。

25mm最短

この絵が最短撮影距離からの絵となります。

26cm程度まで接近することが出来ており、かなり寄った絵を撮ることが可能になってきます。この位置での倍率が、22.7/36=0.63倍となってきます。

25mmの最後はテレ端28mmで最接近したときの画像となります。

25mm最大

このときの撮影距離は15cm強。レンズ端から被写体まで1.5cmあるかどうかと言うところです。ここまで寄るとワーキングディスタンスなどほとんど無いというところ。下手に手持ちで撮影するとレンズを傷つけてしまいそうです。

26mm幅で撮影されていますので、22.7/26=0.87倍まで撮影できていることになります。

36mmデジタル接写リング

次に36mmのデジタル接写リングです。36mmの前に、12mmと20mmとを組み合わせた32mmと言う接写リングの使用が可能ですが、全組み合わせをやるわけにも行かないので、32mmについては36mmよりもやや小さく写ると言うぐらいに考えておいてください。

まずはテレ端での最長位置から。

36mm最長

次にテレ端での最短位置から。

36mm最短

被写体までの距離はmmの単位の世界です。現実的にこれが使えるのは室内で三脚を立てているような状況だろうと思われます。

36mm最大

ここで倍率が1倍を超えてきます。

22.7/16.2=1.40倍

さすがにここまで大きく写せるようになってくると世界が変わってくるような印象です。

68mmデジタル接写リング

デジタル接写リングセットに含まれる3個のリングを全段連結すると、12+20+36=68mmのデジタル接写リングとなってきます。

68mm最長

テレ端での最長位置からの撮影です。

68mm最短

次はテレ端での最短位置からの撮影です。

22.7/18=1.26倍でテレ端を使うだけでも倍率1倍を超えてきます。

68mm最大

最後はレンズ端からほとんど0mmの撮影です。このときは28mmのワイド端は使うことができず、55mmを使用しています。

さすがにワイド端を使えていないことで倍率も1.62倍程度です。

93mmデジタル接写リング

デジタル接写リングセットに単品の25mmデジタル接写リングを追加して68+25=93mmのデジタル接写リングでの画像です。まずここまで商品を準備される方もいないかとは思いますがなぜか手元にあるものですから、せっかくですので試しにということで。

93mm最長

これが、テレ端での最長距離から。

93mm最短

こちらが、テレ端での最短距離からの撮影。

さすがにここまで連結すると、ズームリングを動かす必要はほとんど感じません。テレ端でワーキングディスタンスを確保した状態で1.7倍近い倍率が得られますので足りないと感じることはまずないのではないでしょうか。

まとめ

28mmから105mmのレンズで撮影できる画像を紹介しましたが、他のレンズでも50mm前後の焦点距離をズーム範囲に持つレンズであればデジタル接写リングセットを使用することで1.5倍程度までのマクロ撮影を行なうことが可能となります。

接写リングの場合は、段数を重ねることでかなり暗くなってきますので、オートフォーカスはほとんど使用することはできませんが、薄いピントなのでピント合わせに苦労すると言うことはまずないと思われます。

また、レンズによって同じ焦点距離でも得られる像の倍率が異なることもあるようでここで示したデータが全てのレンズに当てはまるとはいえませんので注意してください。

いずれにしても、値段の割には楽しさの度合いが大きいアイテムであることは間違いないように思われます。

他サイトの情報

作例

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